近年の働き方は日々変化しています。
日本社会では雇用してから仕事を与えるメンバーシップ型雇用が一般的ですが、アメリカなど欧米では仕事に対して人を割り当てるジョブ型雇用が一般的です。
今回はジョブ型雇用、メンバーシップ型雇用に続き、タスク型雇用が進むと言われていますので深堀りしていきます。
ジョブ型雇用とは
ジョブ型雇用とは、業務内容に合わせて必要な人材と契約し業務を依頼する方式です。
契約した人材は契約で決まっている業務内容の範囲で仕事をこなす就業形態のため、その他の業務に携わることはあまりありません。
ジョブ型雇用は契約内容が軸にあるので、急に無関係な業務を行うことがないことが特徴です。
アメリカなどで多く採用されている雇用形態で、フリーランスや派遣社員、または人材派遣型企業の働き方がこれに該当します。
ジョブ型雇用のメリット・デメリット
ジョブ型雇用のメリット・デメリットを雇用主と従業員の視点から解説します。
また、全体的なメリットとしてあらゆる企業の人材不足を解消する可能性があり注目されている雇用形態です。
ジョブ型雇用のメリット
雇用主のメリット
業務内容に合わせて必要な人材を契約するので雇用の費用が大幅に軽減されます。
また、雇用した人材の能力が業務に足りていないと判断した場合、雇用契約解除ができることも挙げられます。
従業員のメリット
契約した業務内容の範囲で仕事を行うので、得意な分野で活躍することができます。
また、得意な分野での実績により収入の変動も大きいので稼ぎやすい働き方でもあります。
ジョブ型雇用のデメリット
雇用主のデメリット
急な人材不足でも契約できる人材がいなければ業務が滞ってしまうので、単価を上げて人材の募集を行う必要があります。
経験豊富で能力の高い人材と契約する場合、高額になるケースもあります。
従業員のデメリット
基本的に即戦力採用となるので、経験がある業務で実績を重視されることが多く、まったくの未経験で採用されることは少ないのも事実です。
その場合、収入の増加も期待できません。
メンバーシップ型雇用とは
メンバーシップ型雇用とは、企業の社員として人員を直接雇用し仕事を割り当てていく方式です。
雇用が先なので、仕事が無かったとしても従業員の収入は変わらず業務が発生すれば雇用している人材の中から割り当てることが多いです。
メンバーシップ型雇用は企業の雇用契約が軸にあるので就業先に困ることなく安心して働くことができるのが特徴です。
日本企業に多い働き方で、一般的なサラリーマンがこれに該当します。
メンバーシップ型雇用のメリット・デメリット
メンバーシップ型雇用のメリット・デメリットを雇用主と従業員の視点から解説します。
また、全体的なメリットとして企業と従業員の関係が硬く長期的な業務を任せ、高い知識を持った従業員を雇用することができます。
メンバーシップ型雇用のメリット
雇用主のメリット
従業員を一括採用し、業務に合わせて人員を配置することができます。
ですので、業務を任された従業員の責任も大きなものとなるため従業員の意識を高めやすくなります。
従業員のメリット
安定した雇用契約のもと業務に従事できるので能力を高めやすく、不当な解雇もありませんので収入も安定しやすいです。
また、定期的な昇給や賞与、福利厚生なども完備されている企業に従事できれば、住居の購入や車の購入、結婚なども比較的容易になります。
メンバーシップ型雇用のデメリット
雇用主のデメリット
従業員を抱える一方で、長期間雇用を前提としているので従業員の雇用にかかる人件費も高額になります。
業務の成績が良くない従業員に対しても高額な人件費が掛かるので雇用のリスクがあります。
また、日本企業の労使契約は確固なため、企業側の事情による雇用契約解除が難しいです。
従業員のデメリット
安定した雇用契約を得られる一方で、収入の変化はあまりないので能力が高い従業員でも急な昇給などが少ないです。
雇用契約に準じて就業するため、いわゆる自由な働き方はできないことがあります。
また、企業側の経営事情によりリストラをされる可能性もあるので注意が必要です。
タスク型雇用とは
タスク型雇用とは、企業が抱える業務の細分化された具体的な業務に対して人員を雇う方式です。
スポットで特定の業務に対して専門的な知識を持っている人員を雇用することで問題解決を目的としています。
タスク型雇用で適した人材に専門業務を1点に絞り依頼することができるので短期で即戦力として業務を依頼できます。
近年複業化などが進み、クラウドソーシングを通じて不特定多数の人員の労働力を得られるようになってきており、今後も注目される働き方です。
タスク型雇用のメリット・デメリット
タスク型雇用のメリット・デメリットを雇用主と従業員の視点から解説します。
タスク型雇用の全体的なメリットは雇用のしやすさと人員不足解消の両方で、日々増減する業務に応じて臨機応変に対応できる点です。
タスク型雇用のメリット
雇用主のメリット
雇用に掛かるコストが非常に低く、契約内容も簡単なものになるため業務を依頼するハードルが大幅に下がります。
また、不特定多数の人材から適した人材を選定できるので人員不足も少ないです。
従業員のメリット
従業員は募集されている業務に対し、スポットでの参画となるので責任は低く、業務に応じた対価を得ることができるので働きたい分だけ働くことができます。
また、近年の人材不足からこうしたタスク型雇用案件が充実しているので好きな仕事を選べるゆとりがあります。
タスク型雇用のデメリット
雇用主のデメリット
雇用をするにあたり、クラウドソーシングサイトなどで登録されている人材の信頼性が低いこともあるので、慎重に雇用する必要があります。
また、雇用契約が簡単なものであるため雇用した従業員と連絡が取れなくなってしまうなどトラブルもあるので注意が必要です。
従業員のデメリット
業務内容に応じて応募できるとはいえ、雇用主が掲げる内容が実際のものと異なっていたり、業務を遂行したが報酬が支払われないといったトラブルも発生する可能性があるので注意が必要です。
まとめ
多様化する現代の働き方で、ご自身に合った働き方を選択できるようになりました。
企業でも副業を認めるところが増えているので、自身のスキルを活かした複業を行う人も増えています。
収入と業務内容を自由に選択できるようになり、1人につき1つの仕事という概念が変わりつつあり、ワークライフバランスを見直し、より豊かな人生を歩めることを喜びたいですね。